肌のくすみを改善するには?
原因と正しいスキンケア方法を知ろう!
肌のくすみを改善するには?原因と正しいスキンケア方法を知ろう!

肌のくすみを改善するには?原因と正しいスキンケア方法を知ろう!

肌のくすみとは、肌に明るさや透明感がなく、全体的に暗い色に見える状態を指します。くすみがあると「疲れて見える」「顔色が悪い」「老けて見える」など、第一印象に影響を及ぼしやすく、見た目年齢を左右しかねません。

くすみにはいくつかのタイプがあり、代表的なものは血行不良によるくすみ、メラニン色素によるくすみ、乾燥や肌のごわつきによるくすみの3つです。この記事では、くすみの3つのタイプそれぞれのメカニズムと発生する原因を解説。さらに、内側と外側からくすみに対処する方法について紹介します。

血行不良によるくすみのメカニズム

「肌の血色がいい」という言葉があるように、血行の良い肌は内側から自然な明るさとツヤを放ちますが、血行が悪い肌はくすんで見えます。では、血行不良がくすみを招くメカニズムを見てみましょう。血液は体内で酸素や栄養素を運ぶとともに、老廃物を回収して排出する役割を果たしています。血流が滞ると、肌細胞に十分な酸素や栄養素が行き届きません。
さらに、血流が滞ることによって細胞に老廃物が溜まりやすく、肌の色がくすんで見えるようになります。

血行不良の原因

血行不良を引き起こす主な原因は、ストレス、運動不足、冷え、喫煙などです。ストレスや睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、血流の悪化につながります。

また、冷えや喫煙は血管を収縮させるため、肌の血行が悪くなり、くすみを招きやすくなります。そのため、血行不良によるくすみに対処するには、まず生活習慣の見直しが基本です。

メラニン色素によるくすみのメカニズム

次に、メラニン色素によるくすみのメカニズムと、その原因を見ていきましょう。肌細胞には、肌の奥で生まれて徐々に肌表面へと押し上げられて角質になり、最終的には垢となって自然にはがれ落ちるというターンオーバーというサイクルがあります。

メラニン色素は、紫外線や摩擦、乾燥などの外的刺激から肌を守るため、表皮の基底層にあるメラノサイトという細胞で産生され、肌細胞に取り込まれます。
肌細胞に取り込まれたメラニン色素は、ターンオーバーに従って肌表面に押し上げられ、角質とともに自然に排出されますが、ターンオーバーが乱れて角質が肌表面にとどまると肌がくすんで見えるのです。

メラニン色素が蓄積する原因

メラニン色素が蓄積する原因としては、まず紫外線の浴びすぎが挙げられます。紫外線を浴びすぎたことでメラニン色素が過剰に産生されてしまい、体外に排出されるのに時間がかかってしまうことがあります。
さらに、肌のターンオーバーが乱れていると、メラニン色素を含んだ角質がはがれにくく、くすみがなかなか改善されません。

肌の乾燥やごわつきによるくすみのメカニズム

肌の乾燥やごわつきも、くすみの一因です。健康な肌の表面は、適度な水分と油分のバランスが保たれ、角質がふっくらと均一に整っているため、明るく滑らかな印象を与えます。
しかし、ターンオーバーが乱れると、古い角質がうまくはがれずに蓄積し、肌がごわついてしまいます。その結果、肌表面が凹凸になり、光が乱反射してしまうことで、透明感が損なわれてくすんで見えるのです。

さらに、乾燥した肌の表面はキメが乱れ、化粧ノリが悪くなります。肌がくすんだ印象になるだけでなく、肌トラブルにもつながりかねません。

■角質層がごわつき、くすんだ印象の肌(イメージ)

肌の乾燥やごわつきの原因

肌の乾燥やごわつきを引き起こす主な原因としては、加齢のほか、空気の乾燥、紫外線、洗顔やクレンジングのしすぎ、スキンケア不足などが挙げられます。

年齢を重ねると、肌の水分保持力や皮脂分泌量が低下するため、肌が乾燥しやすくなります。また、冬場の乾燥した空気や、夏の強い紫外線も肌にダメージを与え、乾燥やごわつきの原因となるでしょう。
刺激の強い洗顔料や過度な洗顔は、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥を進行させます。さらに、スキンケアによる保湿が不十分だと、角質の水分が不足し、肌表面が硬くなりやすくなるため、注意してください。

外側からのくすみ対策は、スキンケアがポイント

くすみを防ぐには、外側と内側からの対策が大切です。まず外側からの対策として、正しい洗顔や保湿、紫外線対策、マッサージといったケア方法を紹介します。

<外側からの主なくすみ対策>
・正しい洗顔
・たっぷり保湿
・UVケア
・マッサージ

たっぷりの泡とぬるま湯で優しく洗顔

くすみの原因のひとつに、肌表面に残った汚れや古い角質の蓄積があります。ですが、汚れや古い角質を落とそうとしてゴシゴシ顔を洗うのは、肌にダメージを与えてしまうため逆効果です。洗顔料をしっかり泡立て、肌と手のあいだに泡のクッションを置くようにして、こすらず優しく洗いましょう。
また、熱すぎるお湯は肌の潤いを奪って乾燥を招くため、32~34℃程度のぬるま湯で洗うのが基本です。

たっぷり保湿してキメを整える

洗顔後の肌は水分が逃げやすいため、素早く保湿することが重要です。まずは化粧水で水分を補い、次に乳液やクリームで蓋をするイメージで塗ります。このとき、手のひらで水分を肌に押し込むように、ハンドプレスすると効果的です。

スキンケア用品には、保湿成分としてヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどが配合されたものがあります。このようなスキンケア用品を取り入れると、肌に潤いをチャージしてキメを整えることが可能です。

UVケアで紫外線を防ぐ

紫外線はメラニン色素の産生を促進してくすみを招くため、UVケアは重要です。日焼け止めは季節や天候に関係なく、毎日塗ることをおすすめします。

特に外出時は、2~3時間おきに塗り直すと効果的。日傘や帽子、UVカット機能のある衣類も併用して、肌を紫外線から守りましょう。
普段のスキンケアでは、美白有効成分を含む医薬部外品のスキンケア製品を使うのがおすすめです。

マッサージで血行促進

顔のマッサージは、肌の血行を促進し、ターンオーバーを整える効果があります。また、血流が良くなることで肌のトーンが明るくなり、くすみの改善につながります。

マッサージの際は、オイルやクリームを使用して摩擦を避けるのがポイントです。優しく円を描くようにマッサージすることで、肌がすっきりと明るい印象に整います。

内側からのくすみ対策は、生活習慣の見直しが重要

肌のくすみ対策には、外側だけでなく内側からのケアも欠かせません。ここでは、食事・睡眠・ストレスケアといった、生活習慣の見直しによるくすみ対策を紹介します。

<内側からの主なくすみ対策>
・バランスのとれた食生活
・質の良い睡眠
・ストレス解消

バランスのとれた食生活で肌の栄養をチャージ

健康な肌を保つには、バランス良く栄養をとることが大切。健康な肌を維持する栄養素として、ビタミンC・E、亜鉛、たんぱく質などが特に重要です。

■健康な肌を維持する栄養素と、豊富に含まれる食材の例

栄養素 豊富に含まれる食材
ビタミンC 赤ピーマン、芽キャベツ、キウイなど
ビタミンE アーモンド、ひまわり油、すじこ
亜鉛 牡蠣、牛肩ロース
たんぱく質 まぐろ赤身、鶏ささみ、納豆

※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

一方で、加工食品や糖質の過剰摂取は肌の糖化を招き、くすみの原因になることもあります。野菜や果物、魚、大豆製品などを、バランス良く取り入れる食生活を心掛けましょう。

質の良い睡眠で肌のターンオーバーをサポート

睡眠中は肌の修復と再生が活発に行われるため、肌の正常なターンオーバーには質の高い睡眠が欠かせません。
睡眠の質を高めるには、就寝前のスマートフォン・PC使用、深酒などを避け、睡眠に入る1時間くらい前からゆったりと過ごすことをおすすめします。また、睡眠の質を高める機能がある機能性表示食品の活用も有効です。

ストレスケアで心も肌もリラックス

慢性的なストレスは自律神経の乱れや血行不良を招くことから、肌にも悪影響を及ぼします。ストレス状態が続くと、血色感のない不健康な肌になりがちです。

対策としておすすめなのは、軽い運動やストレッチ、趣味の時間を持つことなどです。深呼吸や瞑想なども取り入れながら、心身ともにリラックスできる時間を意識して作ることが、肌のすこやかさにつながります。

肌のくすみ対策は毎日続けることが大切

肌のくすみは、血行不良や乾燥、メラニンの蓄積など、複数の要因が重なって起こることが多いため、外側と内側の両面からアプローチすることが大切です。短期間での改善を期待するのではなく、日々のスキンケアや生活習慣を丁寧に積み重ねていくことが、透明感のある肌を維持する近道といえます。

よくある質問(FAQ)

肌のくすみの原因にはどんなものがありますか?

肌のくすみには、血行不良によるもの、肌の乾燥によるもの、メラニン色素を含んだ角質の蓄積によるものなどがあり、その原因はさまざまです。原因としては、紫外線などの外的なものだけではなく、睡眠不足やストレス、栄養バランスの偏りといった内的なものも考えられます。

顔をマッサージする際に、注意点はありますか?

強くこすりすぎると摩擦によって肌に刺激を与え、かえってくすみや色素沈着を引き起こすおそれがあります。摩擦を防ぐために、必ずオイルやクリームを使い、力を入れすぎず優しく行いましょう。

睡眠不足はくすみに影響がありますか?

睡眠不足は肌のターンオーバーの乱れを引き起こし、古い角質が残りやすくなるため、くすみの原因となります。肌の修復は夜間の睡眠中に活発に行われることから、質の良い睡眠を確保することが大切です。

この記事の監修医師

松田明子

専門は美容皮膚科、腎臓内科、内科。
東京女子医科大学卒業。大学病院、都内総合病院勤務を経て2017年都内美容クリニック院長に就任。
2023年3月よりsenshin clinicの美容皮膚科医長に就任。

所属学会:日本内科学会(認定医)、日本透析医学会(専門医)、日本腎臓学会(専門医)、日本再生医療学会(会員)、日本抗加齢学会(会員)、日本美容皮膚科学会(会員)