乾燥肌は冬に悪化しやすい?
冬の乾燥肌対策は生活習慣から見直そう
乾燥肌は冬に悪化しやすい?冬の乾燥肌対策は生活習慣から見直そう

乾燥肌は冬に悪化しやすい?冬の乾燥肌対策は生活習慣から見直そう

冬になると、「肌がカサカサする」「粉をふいたように乾燥する」など、乾燥肌が悪化したと感じる方は多いのではないでしょうか。冬は気温と湿度が大幅に低下することが肌の乾燥につながりますが、実は冬ならではの生活習慣も、肌の潤いを奪っている要因かもしれません。

この記事では、冬に乾燥肌が悪化しやすい複合的な原因を見ていきます。さらに、乾燥肌を防ぐための入浴・スキンケア・加湿の方法、衣服・防寒アイテムの選び方などについても紹介しますので、生活習慣を見直すヒントにしてください。

冬に乾燥肌が悪化しやすい原因

冬に乾燥肌が悪化しやすい原因はひとつだけではなく、さまざまな要因が複雑にからみ合っています。ここでは、冬に乾燥肌が悪化しやすい原因をいくつか紹介します。

気温と湿度の低下によって肌の水分が逃げやすくなる

冬に乾燥肌が悪化しやすい原因のひとつは、気温と湿度が大幅に低下することです。

気象庁の統計によると、例えば2024年12月~2025年2月の東京の平均気温は7.1℃、平均湿度は50%です。2025年7~9月の平均気温は28.2℃、平均湿度は76%ですから、冬が乾燥していることがわかります。

さらに冬の室内は、屋外よりも乾燥します。これは、相対湿度という性質によるものです。
相対湿度とは、その気温で空気が最大限に含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)を100%とした場合、実際に含まれている水蒸気の量の割合のことです。飽和水蒸気量は、気温が下がるほど減少するため、空気中に含まれる水蒸気の量が変わらない場合でも、気温が下がると相対湿度は高くなります。
そのため、冬の寒い屋外では相対湿度が比較的高いのですが、室内では相対湿度が急激に低下し、極度に乾燥した状態となります。これは、暖房により気温が上昇すると同時に、外気が取り込まれたり結露で水分が除去されたりするためです。

また、冬に気温が低下すると、外気によって体が冷やされることで血行不良を招きます。血行が悪くなると、肌に十分な栄養素や水分が届きにくくなり、肌の水分が不足しやすくなるのです。

皮脂の分泌減少によってバリア機能が低下する

肌の表面は、皮脂と汗が混じり合ってできた皮脂膜によって覆われています。この皮脂膜と、肌内部で潤いを保つ物質などが一体となって肌を守る働きが「バリア機能」です。

しかし、冬は皮脂を作り出す皮脂腺の活動が低下するため皮脂膜が薄くなり、肌のバリア機能が低下してしまいます。
バリア機能が低下すると、肌内部の水分がさらに蒸散しやすくなるだけでなく、紫外線などの外部刺激に弱くなり、乾燥を引き起こしやすくなります。
特に、皮脂分泌が元々少ない顔の頬や目元、口元の他、ひじやひざなどは乾燥しやすい部位です。

入浴・洗顔時に熱いお湯を使うことで皮脂が流される

寒い冬には、熱いシャワーやお風呂で温まるのを楽しみにする方もいるかもしれません。しかし、熱いお湯は肌に必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまい、肌の潤いを奪ってしまいます。

長時間の入浴によって肌がふやけた経験のある方も多いでしょう。水分を吸いすぎてふやけた状態になった角質は、時間が経つと元の状態よりさらに乾燥してしまうことが知られています。

また、冬に限ったことではありませんが、洗浄力の強い洗顔料やボディソープを使ったり、浴用タオルでゴシゴシと強く洗ったりすると肌の乾燥につながります。

衣服の摩擦で肌が刺激を受ける

衣服の摩擦が肌への刺激となることも、冬ならではの乾燥肌の原因です。冬の衣服には、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維が多く使われる傾向がありますが、これらの素材は体温を逃がしにくい一方、肌に対して摩擦を生じやすいのです。
元々肌が乾燥していると、衣服のわずかな刺激でも悪化する可能性があります。

乾燥肌を悪化させない生活習慣のポイント

冬の乾燥肌を悪化させないためには、スキンケアだけでなく、毎日の生活習慣を見直すことが重要です。ここでは、乾燥肌を悪化させないために実践したい具体的なポイントを紹介します。

洗顔・入浴時のポイント

洗顔や入浴の際は汚れを落とすことが重要ですが、肌に必要な皮脂まで落としすぎないよう注意が必要です。

・洗浄料の選び方と洗い方
低刺激で保湿成分が配合された洗浄料がおすすめです。手や泡だてネットを使って泡をしっかり作り、肌をこすらずに優しく洗いましょう。

・お湯の温度と入浴時間
入浴やシャワーには熱すぎるお湯ではなく、38~40℃のお湯を使うことをおすすめします。入浴でリラックスすることも大切ですが、肌のためには長風呂は禁物です。

・入浴後のケア
洗顔後や入浴後は、タオルで肌をこするのではなく、押さえるようにして水分を拭き取ってください。

保湿ケアのポイント

洗顔・入浴後は皮脂が洗い流されているため、肌の水分が蒸散しやすくなっています。乾燥を防ぐための保湿ケアのポイントは以下のとおりです。

・基本の保湿ステップを見直す
洗顔後はまず化粧水で水分を補給し、次に乳液、クリームといった油分を含むアイテムで蓋をして水分の蒸散を防ぐのが基本のステップです。化粧水の量が少なすぎたり、乳液やクリームを使っていなかったりすると乾燥肌が進んでしまうかもしれません。

・冬の保湿アイテム選び
乾燥が気になる場合は、美容液やナイトクリームなどスペシャルケアをプラスするのがおすすめです。
冬だけはこっくりしたテクスチャーのクリームを使ったり、肌の水分保持に重要なヒアルロン酸、セラミドなどが配合されたアイテムに切り替えたりしてみてはいかがでしょうか。

・全身のケア
顔だけでなく、全身の乾燥が気になる場合は、ボディローション、ミスト、クリームなどを使ってみてください。特に乾燥しやすい部位には重ね付けをおすすめします。

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室内の湿度管理のポイント

暖房を使用する冬は室内が乾燥しやすいため、肌の乾燥を防ぐには湿度管理が重要です。

・加湿器の活用
暖房による室内の乾燥を防ぐため、加湿器を使い、快適で肌に良いとされる湿度40~50%を保ちましょう。過度な加湿はカビやダニの発生リスクを高めるため、湿度計を確認しながら湿度を管理することが大切です。

・加湿器がない場合の工夫
加湿器がない場合は、濡れタオルを部屋干ししたり、水を入れた容器を置いたりすると効果的です。

衣服・防寒アイテム選びのポイント

肌に直接ふれる衣服や防寒アイテムにも配慮すると、乾燥肌を気にせず快適に過ごせます。選び方のポイントは以下のとおりです。

・肌に優しい素材を選ぶ
インナーなど肌に直接ふれる衣服は、シルクやコットンなどの天然素材をおすすめします。これらの素材を選ぶと、肌への摩擦や刺激を減らせます。

・防寒アイテムの活用
外出時は、手袋やマスク、マフラーなどの防寒アイテムを活用し、冷たい風や乾燥から肌を守りましょう。防寒アイテムを選ぶ場合も、さわるとチクチクするような素材は避けるのが無難です。

・清潔を保つ
衣服や防寒アイテムは、こまめに洗濯・交換して清潔に保つことが大切です。

食事と水分補給のポイント

乾燥肌対策には、体の内側からのケアも欠かせません。乾燥肌に配慮した食事や水分補給のポイントは以下のとおりです。

・バランスの良い食事
バランスの良い食事を心掛け、たんぱく質やビタミン、ミネラルといった栄養素を適切に摂取することで、肌の健康を支えましょう。
ダイエットなどで極端に油脂を控える方もいますが、細胞膜には油分が含まれることから、控えすぎるのは考えものです。

・水分補給
冬は汗をかきにくいため、水分補給に意識が向かない方も多いのではないでしょうか。しかし、不感蒸泄といって、汗として感じない程度に少しずつ体の水分は失われており、肌の乾燥につながります。
水分をこまめにとるようにし、体内の水分不足を防ぐことも大事な乾燥肌対策です。なお、冷たい飲み物は体を冷やし、血行不良につながるため、常温か温かい飲み物をとることをおすすめします。

冬の乾燥肌対策は生活習慣から見直そう

気温・湿度が低下する冬は、乾燥肌が悪化しがちです。さらに、熱いお湯を使うことや衣服の摩擦など、冬ならではの生活習慣も影響します。

乾燥肌を悪化させないために、冬はもちろん、通年で生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。健康で潤いのある肌のために、できることから始めましょう。

よくある質問(FAQ)

なぜ冬になると肌が乾燥しやすいのですか?

冬に肌が乾燥しやすい主な原因は、気温と湿度が大幅に低下することです。空気が乾燥すると肌から水分が蒸散しやすくなる上、冬は皮脂腺の活動が低下するため、肌の潤いを守るバリア機能が低下します。さらに、外気で体が冷やされて血行不良になり、肌に水分や栄養素が届きにくくなることなども原因です。

入浴や洗顔で気をつけるポイントはありますか?

入浴や洗顔時は、肌の皮脂を過剰に落とさないよう注意しましょう。洗顔・入浴時は、低刺激で保湿成分配合の洗浄料を使い、しっかり泡立てて優しく洗います。熱いお湯を使うと必要な皮脂まで洗い流してしまうため、入浴時は38~40℃のお湯を使い、長風呂しすぎないことも重要です。また、洗顔後・入浴後はタオルで押さえるようにして拭き、すぐに保湿してください。

冬の保湿ケアではどんなアイテムを選べばいいですか?

冬は特に肌の水分が蒸発しやすく、皮脂分泌も少ないため、油分多めのクリームや、肌の水分保持に欠かせないヒアルロン酸やセラミドなどが配合されたアイテムをおすすめします。化粧水で水分を補給した後、これらの油分を含むアイテムを使い、しっかりと肌に蓋をして水分の蒸発を防ぐことが大切です。顔だけでなく、全身の乾燥が気になる部位にも保湿を心掛けましょう。

この記事の監修医師

松田明子

専門は美容皮膚科、腎臓内科、内科。
東京女子医科大学卒業。大学病院、都内総合病院勤務を経て2017年都内美容クリニック院長に就任。
2023年3月よりsenshin clinicの美容皮膚科医長に就任。

所属学会:日本内科学会(認定医)、日本透析医学会(専門医)、日本腎臓学会(専門医)、日本再生医療学会(会員)、日本抗加齢学会(会員)、日本美容皮膚科学会(会員)