肌のハリが不足する原因は?
ハリのメカニズムと維持のポイントを紹介
肌のハリが不足する原因は?ハリのメカニズムと維持のポイントを紹介
年齢を重ねると、「肌にハリがないな…」と感じることがあるかもしれません。ハリのある肌は若々しさや健康的な印象につながりますが、どうすればハリを維持できるのでしょうか。
この記事では、肌のハリを生み出すメカニズムと、ハリが不足する主な原因とともに、ハリを維持するためのスキンケアや生活習慣のポイントについて紹介します。
肌のハリを生み出すメカニズム
肌のハリとは何か、どのように生み出されるかを理解することは、ハリを維持するための第一歩です。ここでは、ハリのある肌の状態と、肌の構造の中でハリを支える成分について紹介します。
肌にハリがある状態とは
「肌にハリがある状態」とは、肌の弾力性や柔軟性が十分なことをいいます。ハリのある肌は、さわると押し返すような弾力があり、潤ってツヤが感じられるのが特徴です。
ハリのある肌は、見た目の若々しさや美しさ、健康的な印象に直結します。ハリが不足すると、たるみやしわが目立ちやすくなり、実年齢より老けて見えてしまうこともあるでしょう。
肌の構造とハリを支える成分
肌は表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっており、特に真皮がハリの中心的役割を担っています。
真皮には、線維質のコラーゲンが網目状に張り巡らされ、エラスチンがその網目を束ねることで弾力を与えています。コラーゲンがマットレスのスプリングだとすれば、エラスチンはスプリングをつなぐゴムのような役割です。さらにその隙間は、水分を抱え込んで潤いを保つヒアルロン酸などで満たされています。
これらの成分が豊富に存在して役割を果たすことで、肌のハリやしなやかさが維持されているのです。
真皮内で、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンを産生・維持する工場のような役割を果たすのが線維芽細胞です。線維芽細胞の働きが活発であるほど、ハリを支える成分がしっかりと保たれ、若々しい肌を維持しやすくなります。
肌のハリが不足する原因
肌のハリはさまざまな要因によって不足します。ここでは、肌のハリがなぜ不足するのかを見ていきましょう。
加齢による線維芽細胞の機能低下
ヒアルロン酸やコラーゲンは体内で生成されますが、年齢を重ねるとその量が減少することがわかっています。これは、工場の役割をする線維芽細胞の働きが衰えるためと考えられています。ヒアルロン酸やコラーゲンの減少は肌の弾力低下を招き、ハリ不足を招いてしまうのです。
■加齢とヒアルロン酸・コラーゲンの量の関係
出典:LongasMO.etal.:EvidenceforthestructuralchangesindermatansulfateandHyaluronicacidwithaging.
Referringthedatafrom”Cargo-hydr.Res1987;159:127~136”,“Shusteretal.BrJDermatol.1975.93.639”
また、睡眠不足や栄養不足、ストレスも線維芽細胞の機能低下につながります。日々の生活習慣を見直し、線維芽細胞が働きやすい環境を整えることが、ハリの維持に効果的といえるでしょう。
紫外線ダメージによる成分の破壊
紫外線には、真皮まで届くUV-Aや、表皮にダメージを与えるUV-B、オゾン層に遮られて地表に届かないUV-Cといった種類があります。
特にUV-Aは真皮層まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊して肌のハリを損なうため、注意が必要です。
また、紫外線は活性酸素を発生させて細胞を傷付け、肌老化に関わるとされています。紫外線対策は夏だけでなく、年間を通じて行うことが大切です。
乾燥による角質層の乱れ
肌の乾燥による角質層の乱れも、ハリ不足を招きます。
乾燥により角質層が乱れると、肌内部の水分が蒸散しやすくなり、潤いが不足します。それにより肌のキメを保てず、ハリ不足やごわつきを引き起こしてしまうのです。
保湿ケアを丁寧に行い、肌の潤いを保つことが、ハリを維持する土台となります。
生活習慣の乱れによる糖化
体内で起こる糖化という現象も、ハリ不足の原因のひとつです。糖化とは体内のたんぱく質と糖が結びつくことで、たんぱく質であるコラーゲンやエラスチンが糖化すると硬くもろくなり、肌のハリを低下させます。
過剰な糖質摂取の他、喫煙、運動不足も糖化を進めるため、注意が必要です。食事のバランスを整え、適度な運動を取り入れることで、糖化が進行しにくくなるでしょう。
肌のハリを維持する生活のポイント
肌のハリを維持するために、日常生活で実践したいポイントを紹介します。
基本のスキンケアと集中ケア
基本のスキンケアを丁寧に行うことが、ハリを維持する土台になります。化粧水、乳液、クリームの順で重ね付けし、肌の水分と油分のバランスを整えましょう。
特に乾燥しやすい部分は、美容液やナイトクリームを使って集中ケアを行うのがおすすめです。
美容液は化粧水の次に使うのが基本ですが、化粧水の前に使って浸透を高める導入美容液(ブースター)もあります。肌質や年齢に合わせて適切な美容液を選び、継続的に使用することが大切です。スキンケア用品は、保湿成分としてヒアルロン酸やコラーゲンが配合されたものをおすすめします。
紫外線対策の徹底
紫外線対策は夏だけでなく、年間を通じて継続することが重要です。
日焼け止めは肌に負担の少ないものを毎日使用しましょう。日焼け止めの成分は、紫外線吸収剤よりも紫外線散乱剤のほうが肌に負担がかかりにくいとされています。
顔だけでなく首やデコルテまでムラなく塗布し、帽子や日傘も活用することをおすすめします。
栄養バランスの良い食生活
ハリの維持のためには、肉や魚、野菜、果物をバランスよく食べることも大切です。
特に、抗酸化作用のあるビタミンEや、抗酸化作用の他にコラーゲンの生成を助ける作用もあるビタミンCなど、肌のハリに関わる栄養素が含まれた食品を積極的に摂取するといいでしょう。食事だけでは不足する場合は、サプリメントの活用も選択肢となります。
また、過剰な糖質やアルコールは控えめにすることが、ハリ維持のためには望ましいといえます。
潤い美肌のための栄養素については、こちらの記事をご覧ください。
乾燥肌にいい食べ物とは?潤い美肌のための栄養素と食習慣を紹介
表情筋トレーニング
表情筋は、意識して動かさないと衰えやすい筋肉です。日常的に簡単なトレーニングを取り入れることで血行が促され、肌のハリを内側からサポートします。
トレーニングは1日1~2回、スキンケア後や入浴後など、肌が温まっているタイミングで行いましょう。簡単なマッサージの方法を紹介しますので、肌表面を摩擦しすぎないように、マッサージクリームやジェルを使って実践してみてください。
・口角アップトレーニング
口を軽く閉じた状態で、口角をゆっくりと引き上げます。頬の筋肉が持ち上がるのを意識し、5秒キープして力を抜きます。これを5~10回繰り返しましょう。
頬の筋肉(大頬骨筋・小頬骨筋)を刺激し、たるみ予防につながります。
・「あ・い・う・え・お」エクササイズ
口を大きく動かしながら、「あ・い・う・え・お」をはっきり発音します。それぞれの口の形を意識し、ゆっくり行ってください。
口周りを取り囲む口輪筋を中心に、頬の大頬骨筋・小頬骨筋、フェイスラインに関わる筋肉まで幅広く刺激できます。
・頬ふくらましトレーニング
口を閉じ、頬に空気を含ませてふくらませます。左右に空気を移動させながら10秒程度キープ。
頬の内側にある頬筋や、口周りの口輪筋を刺激し、頬の内側から支える力をサポートします。
頭皮マッサージ
頭皮は顔の皮膚と一枚でつながっており、頭皮の硬さは顔の肌の柔軟性にも影響します。頭皮マッサージで血行を促進し、表情筋が動きやすい状態を保つことが大切です。
・指の腹でほぐす基本マッサージ
両手の指の腹を使い、生え際から頭頂部に向かって、頭皮を軽く動かすようにもみほぐします。円を描くように、小刻みに動かすのがポイントです。
頭皮全体を覆う帽状腱膜と、それに続く前頭筋・後頭筋周辺を刺激し、頭皮の柔軟性を高めます。
・側頭部の引き上げマッサージ
こめかみの上あたりに指を当て、頭皮を上に持ち上げるように圧をかけます。左右それぞれ5~10回行いましょう。
耳の上に広がる側頭筋や、その周囲の筋膜を刺激し、フェイスラインや目元の筋肉のサポートにつながります。
・後頭部ほぐし
後頭部のくぼみ付近に指を当て、ゆっくり押しながらほぐします。
後頭部にある後頭筋や首との境目の筋肉を刺激すると、頭皮全体の緊張を和らげることが可能です。
肌のハリを意識したスキンケアと生活習慣で、若々しい肌を保とう
肌のハリは真皮のヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどが支えており、加齢や紫外線、乾燥、生活習慣の乱れなどにより不足することがあります。
スキンケアはもちろん、栄養バランスの良い食事、紫外線対策、表情筋トレーニングや頭皮マッサージを心掛けることで、若々しい肌を保ちましょう。
よくある質問(FAQ)
肌のハリは、肌のどの部分で生み出されているのですか?
肌は表皮・真皮・皮下組織の3層構造で、ハリを生み出すのは主に真皮です。真皮にはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が存在し、コラーゲンが肌の土台となり、エラスチンが弾力を、ヒアルロン酸が水分保持による潤いを担っています。さらに線維芽細胞が、これらを産生・維持する工場の役割を担っています。
加齢によって肌のハリが失われるのはなぜですか?
加齢とともに線維芽細胞の働きが衰えることで、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成量が減少するためです。その結果、真皮の弾力や潤いが低下し、ハリ不足が目立ちやすくなります。睡眠不足や栄養不足、ストレスも線維芽細胞の機能低下を招く要因となります。
肌のハリを保つために、日常生活で意識したいポイントは何ですか?
化粧水・乳液・クリームによる基本のスキンケアを丁寧に行い、ヒアルロン酸などが配合された美容液で集中ケアすることが大切です。その他、紫外線対策を年間通じて行う、ビタミンCやビタミンEなど肌に良い栄養素をバランスよく摂取する、表情筋トレーニングや頭皮マッサージで血行を促すといったことが挙げられます。
この記事の監修医師
松田明子
専門は美容皮膚科、腎臓内科、内科。東京女子医科大学卒業。大学病院、都内総合病院勤務を経て2017年に都内美容クリニック院長に就任。2023年3月よりsenshin clinicの美容皮膚科医長に就任。現在は都内美容クリニック勤務。
所属学会:日本内科学会(認定医)、日本透析医学会(専門医)、日本腎臓学会(専門医)、日本再生医療学会(会員)、日本抗加齢学会(会員)、日本美容皮膚科学会(会員)