夏に眠れない原因とは?
寝付けない夜のための快眠のポイント
夏に眠れない原因とは?寝付けない夜のための快眠のポイント

公開日:2026年4月22日 更新日:2026年4月22日
夏に眠れない原因とは?寝付けない夜のための快眠のポイント

夏になると夜になっても暑さが治まらない日もあり、「布団に入ってもなかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」といった悩みを抱える方が増えてきます。寝不足が続くと日中の集中力や体調にも影響し、仕事や家事にも支障をきたしかねません。
この記事では、人が眠くなる仕組みと、夏に眠れなくなる主な原因や対策を紹介します。寝る前だけでなく昼間の過ごし方で気をつけたいポイントもお伝えしますので、できそうなところから取り入れて、夏の快眠を目指してみてはいかがでしょうか。

人が眠くなる仕組み

夏の快眠対策を考える前に、「そもそも人はなぜ眠くなるのか」という基本的な仕組みを知っておくと、対策の意味が理解しやすいでしょう。ここでは、メラトニン、体内時計とサーカディアンリズム、深部体温という3つのポイントを簡単に整理します。

メラトニンの役割

人の脳内で睡眠に大きく関わるのが、セロトニンとメラトニンの2種類のホルモンです。セロトニンは覚醒を促すホルモン、メラトニンは睡眠を促すホルモンで、これらが覚醒と睡眠のリズムをコントロールしています。

メラトニンは、体に「そろそろ眠る時間ですよ」と知らせる役割を持ち、覚醒から14~16時間後に分泌されます。一方で、日光や明るい照明、スマートフォンやPCのブルーライトを浴びているときは分泌が抑えられるのが特徴です。

体内時計と生活時間のずれ

人の体には体内時計が備わっており、この体内時計によって刻まれる一日周期をサーカディアンリズム(概日リズム)といいます。サーカディアンリズムは人によって違いますが約24~25時間とされており、人が生活する24時間周期よりも長いことが多いため、ずれが生じてしまうのです。
ただし、体内時計は、朝に太陽光を浴びるとリセットされることもわかっています。

深部体温と入眠の関係

眠気には、体の内部の温度である深部体温も深く関わっています。人は深部体温がゆっくりと下がっていくタイミングで眠気を感じ、スムーズに入眠することが可能です。
一方で、深部体温が十分に下がらないと、布団に入ってもなかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなって夜中に目が覚めやすくなったりします。夏は夜になっても気温が高く、体の熱をうまく放出できないため、この深部体温の低下が妨げられやすい季節といえるでしょう。

深部体温と睡眠の関係については、こちらの記事をご覧ください。
眠れないときの対処法は?おすすめの食べ物・飲み物、生活習慣を紹介

夏に眠れない主な原因

眠りの基本的な仕組みを踏まえると、夏の睡眠トラブルは「メラトニンの分泌が乱れやすい」「生活リズムが崩れやすい」「深部体温が下がりにくい」といった要因が組み合わさって起こることがわかります。ここでは、その具体的な原因を見ていきましょう。

明るさと生活リズムの乱れ

夏は日照時間が長く、明るい時間が続きます。そのため、夜遅くまで起きていることも多く、寝る直前までスマートフォンやPCの画面を見続ける方もいるかもしれません。こうした強い光はメラトニンの分泌を抑えるため、夜になっても眠気が出にくい原因になります。

また、休日に朝寝坊をしたり、夜更かしが続いたりすると、「起床から14~16時間後に眠気が訪れる」という体内時計のリズムが崩れ、寝るべき時間になっても体が「まだ昼間」と勘違いしてしまうことがあります。こうした生活リズムの乱れも、夏に眠れなくなる一因です。

暑さと湿度の影響

夏は夜になっても気温が高く、熱帯夜が続くと体の熱を外に放出しにくくなります。その結果、深部体温が十分に下がらず、寝付きにくさや眠りの浅さにつながるでしょう。
また、夏は湿度も高く、汗が蒸発しにくい状況が続きます。汗がうまく蒸発しないと体温調節がうまくいかず、寝苦しさを感じてしまいます。エアコンや扇風機を使わずに我慢すると、熱中症のリスクが高まるおそれもあるため、適切に冷房を使って寝室の温度と湿度を整えることが大切です。

冷房の影響

夏を快適に過ごす上で冷房は欠かせませんが、使い方によっては睡眠の質に影響が出ることがあります。冷房の温度を低く設定しすぎると、体が冷えすぎて目が覚めてしまったり、血流が悪くなって肩こりや頭痛、胃腸の不調などを招いてしまったりするかもしれません。
一方で、寝る前に冷房を切ってしまうと、夜中に室温が上がり、暑さで目が覚めてしまうこともあります。暑さと冷えの両極端にならないよう、設定温度や風向きを工夫しながら、体に負担の少ない使い方を見つけてください。

眠れない夏のための3つの対策

ここからは、夏でもできるだけ快適に眠るための対策を3つ紹介します。できそうなところから少しずつ取り入れてみてください。

寝室の環境を整える

快適な眠りのためには、寝室の温度・湿度と明るさを整えることが大切です。就寝中は冷房をつけない方もいますが、26~28℃程度のやや高めの温度で冷房をつけっぱなしにすると室温が安定しやすく、深部体温の自然な低下を妨げにくいとされています。室温だけでなく、除湿機能を併用して湿度を50〜60%に保つと、同じ温度でも体感の寝苦しさが変わります。
冷房をつけっぱなしにすると寒すぎると感じる場合は、パジャマや薄手の掛け布団で調整したり、冷風が直接体に当たらないよう風向きを工夫したりするとよいでしょう。
寝具は通気性のよいシーツや枕カバー、冷感素材の敷きパッドなどを選ぶと、熱がこもりにくくなります。

また、寝室の明るさも重要なポイントといえます。遮光カーテンで外からの光を遮り、朝起きたらカーテンを開けて太陽光を浴びるのがおすすめです。就寝前は照明の明るさを少し落とし、メラトニンの分泌を妨げない環境を整えましょう。まぶしさが気になる場合は、アイマスクを活用するのもおすすめです。

就寝前の過ごし方を見直す

寝付きをよくするためには、就寝前1~2時間の過ごし方も大切です。寝る90分前を目安に入浴を済ませておくと、いったん深部体温が上がり、その後の放熱によって自然に深部体温が下がるタイミングと入眠時間を合わせやすくなります。お湯の温度は38~40℃程度のぬるめがおすすめです。

また、スマートフォンやPCの光はメラトニンの分泌を抑制し、入眠しにくくなるため、寝る1時間くらい前から使用を控えることもポイントです。代わりに、静かな音楽を聴いたり、軽いストレッチをしたりするなど、心身を落ち着かせる行動を取り入れると、体が「そろそろ眠る時間だ」と認識しやすくなります。

飲食による対策

寝る直前に食事をすると胃腸の消化活動を活発にしてしまうため、快眠のためにはおすすめできません。夕食は就寝の2~3時間前までに済ませ、寝る前は胃に負担をかけないようにしましょう。どうしても小腹がすいてしまうときは、消化のよい軽めのものを少量にとどめると安心です。

カフェインには覚醒作用があるため、コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクといったカフェインを含む飲み物は、夕方以降は控えるのがおすすめです。代わりに温かいハーブティーを選ぶと、リラックスにも役立ちます。

また、生活習慣の見直しと併せて、睡眠の質をサポートする機能性表示食品を活用してはいかがでしょうか。

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快眠のための昼間の過ごし方

夜にぐっすり眠るためには、就寝前だけでなく、昼間の過ごし方も大切です。ここでは、日中に意識したいポイントを3つ紹介します。

一定のリズムで生活し、適度に運動する

体内時計のリズムを整えることは、夏の快眠に欠かせません。毎日できるだけ同じ時間に起きて、朝にしっかりと太陽光を浴びると体内時計がリセットされ、その日の夜に自然な眠気が訪れやすくなります。日中に適度な運動や活動を行うことも、夜の睡眠の質を高める助けになります。ただし、暑い日中の激しい運動は体に負担となるため、朝など比較的涼しい時間帯を選ぶことが大切です。

昼寝をするなら短時間にする

昼間に強い眠気を感じるとき、短い昼寝は集中力や作業効率を高める上で役立ちます。しかし、長時間眠ってしまうと、夜の寝付きが悪くなる原因になることがあります。
昼寝をするときは15~20分程度の短時間にとどめ、夕方以降は避けてください。椅子にもたれて軽く目を閉じる程度でも、頭がすっきりするでしょう。

アルコールとカフェインを控えめにする

寝付きが悪いとき、「お酒を飲むと眠りやすい」と感じる方もいるかもしれません。しかし、アルコールは一時的に眠気を感じさせても、夜中に目が覚めやすくなったり、眠りを浅くしたりすることが知られています。寝酒に頼る習慣は、かえって睡眠の質を下げてしまうおそれがあるため、控えめにするのがおすすめです。

また、カフェインは摂取から数時間たっても覚醒作用が続くことがあります。夜の眠りに影響しないよう、夕方以降はカフェイン入りの飲み物を控え、カフェインレスの飲み物に切り替えるとよいでしょう。コーヒーだけでなく、緑茶やエナジードリンクなどにもカフェインが含まれている点にも注意が必要です。

眠れない夏の夜を、少しずつでも改善する工夫をしよう

夏に眠れない背景には、暑さや湿度の高さによる影響、夕方以降の明るさやスマートフォンの光による影響、冷房の使い方や生活リズムの乱れなど、いくつかの要因が重なっていることが多いと考えられます。
寝室の環境を整え、就寝前の過ごし方や飲食を工夫したり、生活リズムや昼間の過ごし方を見直したりして、少しずつでも睡眠の質の改善を目指してください。
無理のない範囲で続けて、夏でも眠りやすいリズムを整えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

夏に眠れなくなる原因は?

夏に眠れなくなる主な原因は、夜間の暑さと湿度により深部体温が下がりにくくなること、夕方以降の明るさやスマートフォンなどの光でメラトニンの分泌が抑えられ、体内時計が乱れやすくなることなどです。また、冷房の使い方による冷えや、休日の朝寝坊・夜更かしなどによる生活リズムの乱れも、夏に眠れなくなる一因になりえます。

夏の快眠のポイントは?

まずは寝室の環境を整えることが大切です。冷房は26~28℃程度のやや高めの設定でつけっぱなしにし、風が直接体に当たらないよう風向きを調整しましょう。寝具は通気性のよいものを選び、遮光カーテンやアイマスクで暗さを確保することもポイントです。さらに、就寝前の入浴やスマートフォンの使い方を見直したり、夕食やカフェイン摂取のタイミングを工夫したりすることで、眠りにつきやすい状態を作りやすくなります。

夏の快眠のために避けるべきことは?

夏の快眠のためには、寝る直前の重い食事や大量のアルコール、遅い時間帯のカフェイン摂取は避けたほうがよいでしょう。また、昼寝を長時間取りすぎると夜の寝付きが悪くなるため、15~20分程度にとどめ、夕方以降は控えることをおすすめします。冷房の温度を低くしすぎて体を冷やし過ぎてしまうことも、睡眠の質を下げる原因になるため注意が必要です。

この記事の監修医師

武井 智昭

小児科医・内科医・アレルギー科医。2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

所属学会:日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定インフェクションコントロールドクター(ICO)、抗菌化学療法認定医、日本プライマリケア学会認定医、認知症サポート医、日本小児感染症学会認定医、日本臨床内科医会専門医、日本糖尿病学会認定医、一般社団法人 予防医療研究協会 監事、一般社団法人医療人材育成機構 理事