肌とストレスの関係は?
肌荒れやニキビの原因と対策を紹介
肌とストレスの関係は?肌荒れやニキビの原因と対策を紹介
ストレスを感じると肌荒れがひどくなったり、ニキビができたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。一般的にストレスというと精神的ストレスをイメージしがちですが、摩擦や環境など肌に直接かかる物理的ストレスも肌の調子に影響します。
この記事では、精神的ストレスと物理的ストレスが肌に与える影響、ストレスを感じているときにおすすめのスキンケア、ストレスを遠ざける生活習慣を紹介します。ご自身の生活に合わせて、ぜひ参考にしてください。
精神的ストレスが肌に与える影響
不安や緊張が続くと、なぜ肌の調子が変化するのでしょうか。ここでは、精神的なストレスが肌に与える影響を紹介します。
自律神経のバランスの乱れが肌の不調を招く
精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、肌の不調につながります。
自律神経とは交感神経と副交感神経を合わせた総称で、この2つの神経が切り替わることで内臓や血管の働きが自然に調整されるのです。
交感神経は、覚醒しているときやストレス・緊張を感じる場面など「活動モード」で優位になり、末梢の血管を収縮させるなどの働きがあります。副交感神経は、睡眠中やくつろいでいるときなど「休息モード」で優位になり、身体を回復側に近づける働きを担います。

不安や緊張が続くと交感神経が働き続け、なかなか副交感神経に切り替わりません。そのことにより、以下のような肌トラブルを招くことがあります。
<自律神経のバランス乱れによる肌トラブル>
・顔色の悪さやくすみ:交感神経が優位の状態が続くと血行が悪くなり、顔色が悪くなったり、肌がくすんだりします。
・ターンオーバー低下:ターンオーバーとは、肌が一定の周期で新しい細胞に生まれ変わるサイクルのこと。肌細胞は表皮の一番下の基底層で生まれ、徐々に表面へと押し上げられて、垢などとしてはがれていきますが、血行が悪いとこのサイクルがうまくいかなくなり、古い角質が角質層にとどまりやすくなります。すると肌がごわついたり、毛穴が詰まりやすくなってニキビができやすくなったりするのです。
ストレスホルモンの分泌過剰がニキビの元となる
精神的なストレスが強いとき、体内ではコルチゾールというホルモン(生理活性物質)の分泌が増えることがわかっています。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、分泌が多い状態が続くと、皮脂の分泌過剰を招きます。毛穴に皮脂が詰まり、そこでアクネ菌などの雑菌が増殖するとニキビの元となるのです。
物理的ストレスが肌に与える影響
物理的ストレスとは、肌に外部から直接かかる圧力や刺激のことです。誤った洗顔方法や環境の変化も物理的ストレスのひとつであり、精神的ストレスと重なると負担が大きくなります。
ここでは、代表的な物理的ストレスと肌への影響を見ていきましょう。
摩擦によって肌がダメージを受ける
肌にとっての物理的ストレスのひとつに、摩擦があります。ゴシゴシ洗いやタオルによる強い摩擦だけでなく、マスクや首周りの衣類の小さなこすれが角質層に少しずつダメージを与えていくことにも注意しなければいけません。
肌のバリア機能とは、肌表面の皮脂膜や、角質細胞の内部にある天然保湿因子(NMF)、角質細胞の隙間を埋めるように存在する細胞間脂質(セラミドなど)が一体となって肌を外部刺激から守り、水分が蒸散するのを防ぐ働きのことです。
バリア機能が弱まると水分が逃げやすくなって乾燥を招いたり、外部の刺激を受けやすくなって肌荒れを招いたりします。
外的刺激・環境刺激によってバリア機能が低下する
花粉やホコリなどの外的刺激や、紫外線、低湿度、急な温度変化といった環境刺激も、物理的ストレスのひとつです。
こうした刺激は肌のバリア機能を低下させることがあり、洗浄やスキンケアによる摩擦が重なると、肌荒れを招きやすくなります。
ストレスを感じている肌におすすめのスキンケア
精神的・物理的なストレスを感じているときは、いつもより低刺激でシンプルなケアを心掛けるといいでしょう。ここでは、洗顔、保湿、紫外線対策それぞれのポイントを紹介します。
洗顔は低刺激でやさしく
ストレスなどでバリア機能が低下しているときの洗顔は、特に刺激を与えないようにやさしく行いましょう。
洗浄力の強いクレンジング料や洗顔料を使うと、必要な皮脂まで落としすぎて肌の乾燥につながるため、使用を控えめにしてください。また、熱すぎるお湯も皮脂を落としすぎてしまうので、目安として32~34℃のぬるま湯を使います。洗顔料は手のひらで十分に泡立て、泡をクッションにして指の腹でやさしくなでるように洗うと摩擦を減らせます。
ニキビがある場合はその部位をこすらないようにし、すすぎは流水で十分に行ってください。タオルで拭くときは、押さえるようにして水気を取ると刺激を抑えられます。
保湿と紫外線対策
バリア機能が低下している肌は、水分が蒸発しやすいといえます。洗顔後はすぐに化粧水で潤いを与え、乳液やクリームで蓋をしてください。
スキンケア用品は、アルコールが入っているものは控え、低刺激設計のものを選ぶといいでしょう。朝の忙しい時間のスキンケアには、1つで化粧水・乳液・クリームの役割をもつオールインワンタイプのスキンケア用品もおすすめです。
時間があるときは、ホットタオルやシートマスクでリラックスしながら保湿する方法もあります。シートマスクは、製品に記載された使用時間を守るようにしてください。使用時間を超えると、かえって角質層の水分が奪われることがあります。
また、紫外線によるダメージを防ぐために日焼け止めは重要ですが、肌が敏感なときには日焼け止め自体が負担になることにも注意が必要です。ストレスを感じているときはSPF30程度の製品を選び、こまめに塗り直すほうが肌への負担を軽減できます。さらに、帽子や日傘と組み合わせると安心です。
精神的ストレスを遠ざけるための生活習慣
精神的ストレスを遠ざけることは、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。ここでは、無理なく生活習慣に取り入れられる方法を紹介します。
軽い運動をする
精神的ストレスを感じたら、軽いランニングやサイクリング、散歩といった息が少し上がる程度の有酸素運動に取り組んでみましょう。気分転換やリラックス、睡眠の質の改善に役立つだけでなく、全身の血行が促されることで、肌に酸素や栄養素が届きやすくなり、正常なターンオーバーに役立ちます。
目安は1日おおよそ20分前後からで、体が温まり汗ばむ程度から始め、がんばりすぎず続けられるペースを優先してください。運動後の汗を放置すると肌への刺激になるため、洗顔やシャワーでやさしく流し、すぐに保湿することが大切です。
腹式呼吸をする
不安や緊張で呼吸が浅くなっているときは、腹式呼吸を試してみてください。口から約3秒かけて息を吐き(吐くときにおなかがへこむイメージ)、鼻から約3秒かけて吸います(吸うときにおなかがふくらむイメージ)。これを、5~10分程度繰り返していきましょう。
深い呼吸は副交感神経を優位にし、末梢の血行を促進します。リラックスにつながる習慣としてもおすすめです。

ストレスを感じているときは肌への負担を考えて
ストレスには精神的なものと物理的なものがあり、いずれも肌の調子に影響することが知られています。ストレスを感じているときは、洗顔と保湿、紫外線対策など、肌に負担をかけにくい方法を意識するとよいでしょう。
軽い運動や腹式呼吸は、精神的ストレスをやわらげるだけでなく、血行促進もサポートします。ご自身の生活に合わせて、続けやすいところから取り入れてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
肌に影響を与えるストレスとはどのようなものですか?
肌に影響を与えるストレスには、精神的なものと物理的なものがあります。
精神的ストレスは自律神経のバランスを乱し、いわゆるストレスホルモンを分泌させることで肌に影響を及ぼします。また、物理的ストレスとは肌に直接かかる圧や刺激のことで、角質層にダメージを与えかねません。両方が重なると、肌への負担は大きくなりやすいでしょう。
ストレスホルモンとはなんですか?
一般的にストレスホルモンと呼ばれるのは、副腎から分泌されるコルチゾールなどのホルモン(生理活性物質)です。コルチゾールの分泌が多い状態が続くと皮脂が増えることが知られています。
ストレスでニキビができるのはなぜですか?
精神的ストレスによりコルチゾールの分泌が増えると皮脂が過剰になり、毛穴に詰まってニキビの原因になることがあります。また、精神的ストレスによる血行不良が肌のターンオーバーを乱し、古い角質がはがれにくくなって毛穴を詰まらせるのもニキビの原因のひとつです。
この記事の監修
松田明子
専門は美容皮膚科、腎臓内科、内科。東京女子医科大学卒業。大学病院、都内総合病院勤務を経て2017年に都内美容クリニック院長に就任。2023年3月よりsenshin clinicの美容皮膚科医長に就任。現在は都内美容クリニック勤務。
所属学会:日本内科学会(認定医)、日本透析医学会(専門医)、日本腎臓学会(専門医)、日本再生医療学会(会員)、日本抗加齢学会(会員)、日本美容皮膚科学会(会員)
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