免疫機能を維持する食べ物は?
栄養素や善玉菌の役割と効果的な食べ方
免疫機能を維持する食べ物は?栄養素や善玉菌の役割と効果的な食べ方

免疫機能を維持する食べ物は?栄養素や善玉菌の役割と効果的な食べ方

日々の健康維持や、体内に侵入する異物から体を守るために重要な免疫機能。その免疫機能を維持する上で、毎日の食事による影響は見逃せません。免疫細胞の材料となる栄養素や、免疫細胞が多く集まる腸内環境を整える善玉菌の働きは、免疫機能の維持に直結します。

この記事では、免疫機能を維持するために重要な栄養素と、その効果的な摂取方法を紹介します。また、免疫機能と関わりの深い善玉菌の役割と、それらを活かす食事のタイミングや食べ方の工夫についても見ていきましょう。

免疫機能を維持する栄養素の種類とその働き

私たちの体の原料として、食事に含まれる栄養素は不可欠です。これらの栄養素にはそれぞれ異なる役割があるため、複数の栄養素をバランス良く組み合わせてとることが重要です。
ここでは、主な栄養素の働きを紹介します。

たんぱく質

たんぱく質は、筋肉や臓器など体を作る基本的な材料であるとともに、免疫細胞やウイルスなどを攻撃する抗体の材料となります。そのため、たんぱく質は、免疫機能の基盤となる最も重要な栄養素のひとつです。

食事のたんぱく質は、肉、魚、卵などの動物性たんぱく質と、大豆、豆製品などの植物性たんぱく質に大きく分類することができます。この両方をバランス良くとることが、免疫機能の維持につながります。

たんぱく質が不足すると、筋肉が減少するだけでなく免疫細胞の生成も滞るため、特に食事量が減りがちな高齢者は意識して摂取することが大切です。

抗酸化ビタミン

体内で発生する酸化ストレスは、免疫細胞にダメージを与え、免疫機能の低下につながります。この酸化ストレスから体を守る働きを持つのが、抗酸化ビタミンと総称されるビタミンA・C・Eです。

<抗酸化ビタミンの主な働き>
・ビタミンA:皮膚や粘膜の健康を維持する ・ビタミンC:皮膚や粘膜の健康を維持するほか、抗酸化作用を持つ ・ビタミンE:抗酸化作用により体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける ・ビタミンD:自然免疫・獲得免疫の両方に関与し、呼吸器感染症のリスク低下との関連が近年の研究で注目されている

これらのビタミンは、緑黄色野菜や柑橘類、ナッツ類などに豊富に含まれています。それぞれ異なる作用を持つため、組み合わせてとることで相乗効果が得られます。
ただし、ビタミンA・D・Eは脂溶性ビタミンであり、体内に蓄積しやすいため、過剰摂取には注意しましょう。サプリメントなどで大量に摂取する場合は注意が必要ですが、通常の食事からの摂取で過剰症になることはまれです。

酢酸菌、乳酸菌

全身の免疫細胞の多くが集まる腸では、腸内細菌が免疫機能に大きな影響を与えています。腸内細菌のサポートをする栄養素として代表的なのが、酢酸菌、乳酸菌などの生菌です。
酢酸菌は腸内で酢酸を生成し、乳酸菌は乳酸を生成することで、腸内を酸性に保って腸内環境を整えます。

酢酸菌はにごり酢や漬物、ナタデココに多く含まれ、乳酸菌はヨーグルトやチーズ、キムチなどに含まれています。いずれも大量にとることが難しい食品なので、サプリメントなどでとるのもいいでしょう。

食物繊維、オリゴ糖

腸内環境を整えるためには、善玉菌のエサとなる食物繊維の摂取が欠かせません。特に水溶性食物繊維は、腸内で短鎖脂肪酸を生成し、これが腸粘膜のエネルギー源となることで腸の健康を保ちます。
また、オリゴ糖は特にビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促進し、腸内の善玉菌バランスを安定させる働きがあります。

野菜、果物、海藻、豆類などに含まれる食物繊維と、玉ねぎやバナナなどに多いオリゴ糖を組み合わせてとることで、善玉菌のサポートが可能です。

免疫機能を左右する腸内環境と善玉菌の関係

免疫細胞のひとつであるリンパ球は全身に存在していますが、その6~7割が腸管関連リンパ組織(GALT)に存在するとされています。そのため、腸は「最大の免疫器官」とも呼ばれており、腸内環境が免疫機能を左右するといえるでしょう。
ここでは、腸内環境と善玉菌の関係について紹介します。

免疫機能に関わる腸内フローラ

腸内では、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がそれぞれ種類ごとにまとまって存在しており、バランスを保って存在している様子が花畑のようであることから腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれます。これらの菌のバランスが保たれていると、免疫機能が正常に働くのです。
日和見菌は、善玉菌が優勢であれば善玉菌に近い働きをし、悪玉菌が優勢であれば悪玉菌に近い働きをするため、腸内フローラを善玉菌が優勢な状態に保つことが大切です。

さらに、特定の善玉菌だけがあればいいわけではなく、多様な善玉菌が共存していることが、より安定した腸内環境を作るためのカギといえます。

腸内フローラを善玉菌優勢に保つための食生活のポイント

腸内フローラを善玉菌優勢に保つためには、食生活を通じて善玉菌をサポートすることが重要です。善玉菌を優勢に保つ食生活のポイントは、以下のとおりです。

・酢酸菌や乳酸菌を摂取する
にごり酢、ヨーグルト、漬物などの発酵食品には酢酸菌や乳酸菌が含まれているので、積極的に摂取しましょう。単一の食品に偏るのではなく、複数の発酵食品を組み合わせることで、より多様な善玉菌の摂取が可能です。

・善玉菌の定着をサポートする
善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品をいっしょにとると、善玉菌が腸内に定着しやすくなります。

・酢酸菌と乳酸菌を併せてとる
腸内では、腸内細菌による食物繊維の発酵を通じて酢酸菌は腸内で酢酸を生成し、乳酸菌は乳酸を生成します。併せて酢酸菌や乳酸菌を含む発酵食品を摂取することにより、腸内が酸性に保たれると、悪玉菌の増殖がを抑制されます。そのため、これら両者を併用することで、腸内環境の安定と免疫機能の維持に役立つでしょう。

酢酸菌や乳酸菌を継続して摂取するには、サプリメントなどを活用するのもおすすめです。

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免疫機能を維持するための食べ方

免疫機能を維持するために、特定の栄養素や発酵食品を摂取するだけでなく、食べる時間帯や組み合わせ、タイミングといった食べ方に配慮することも非常に重要です。ここでは、免疫機能を維持するための食事の工夫を紹介します。

免疫機能の維持を考えた食事のタイミングと食べる順番

食事のタイミングや食べる順番を工夫することは、免疫機能の維持に効果的です。

・朝食は必ずとる
朝食は、乱れがちな体内時計を整え、自律神経のリズムを正常化する役割を持つため、きちんととることが望ましいとされています。

・発酵食品は夕食時に
発酵食品に含まれる善玉菌は、リラックスしている夕食時に加え、胃酸が薄まっている食後にとることで、善玉菌が生きたまま腸に届きやすくなります。ただし、最も重要なのは継続的な摂取です。

・食べる順番は野菜や発酵食品から
食事の際は、野菜や発酵食品から先にとるのがおすすめです。腸内での糖質の吸収をゆるやかにすることができ、血糖値の急な上昇を抑えるほか、腸内環境を整える効果も期待できます。

食物繊維や発酵食品を活かした食事の工夫

日々の食事に腸内環境を整える食材を組み込んで無理なく続けられるようにすると、免疫機能の維持につながります。主食を工夫し、もち麦ご飯や大麦など、水溶性食物繊維を多く含むものを積極的に取り入れるのがおすすめです。さらに、みそ汁やぬか漬けなど、日本の伝統的な発酵食品を組み合わせ、リラックスして食事を楽しんでみてください。

このような工夫を継続することで、すこやかな腸内環境の維持に役立ちます。ひいては、免疫機能の維持にも役立つでしょう。

食事と食べ方を工夫して免疫機能を維持しよう

免疫機能を維持して健康な生活を送るためには、日々の食事における良質な栄養素の摂取が不可欠です。特に、免疫細胞の材料となるたんぱく質や、体を守る抗酸化ビタミンの摂取が重要です。
また、腸内環境を整える酢酸菌や乳酸菌、善玉菌のエサとなる食物繊維を含む発酵食品を継続的に摂取することも、免疫機能の維持に役立ちます。
さらに、朝食を抜かない、発酵食品を夕食時にとるなど、食事のタイミングや食べる順番を工夫することも大切です。

この記事で紹介した食事の工夫を日常の食生活に無理なく取り入れ、免疫機能を維持して健康的な生活を目指しましょう。

よくある質問(FAQ)

善玉菌の役割は何ですか?

善玉菌は、腸内で酢酸や乳酸を生成し、腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を抑える役割があります。腸内が酸性に傾くと、腸内フローラが善玉菌優勢に保たれ、免疫機能の維持に役立ちます。

善玉菌を増やすには、どんな食べ物をとると効果的ですか?

善玉菌を増やすには、酢酸菌や乳酸菌を直接摂取すること、善玉菌の定着をサポートすることが大切です。
ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、キムチといった食品で善玉菌を直接取り入れるだけでなく、野菜、果物、海藻、もち麦など善玉菌の定着をサポートする食材をいっしょにとることで、善玉菌が腸内に定着しやすくなります。
さらに、酢酸菌と乳酸菌を併せてとると、腸内環境の安定と免疫機能の維持が期待できます。食事からの摂取が難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。

発酵食品はいつ食べるのが効果的ですか?

発酵食品に含まれる善玉菌は、体がリラックスしている状態、つまり副交感神経が優位になる夕食時にとることで、腸内でより働きやすくなるとされています。ただし、最も重要なのは継続的に摂取することです。毎日無理なく続けられるタイミングで取り入れましょう。

この記事の監修医師

武井 智昭

小児科医・内科医・アレルギー科医。2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

所属学会:日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定インフェクションコントロールドクター(ICO)、抗菌化学療法認定医、日本プライマリケア学会認定医、認知症サポート医、日本小児感染症学会認定医、日本臨床内科医会認定医、日本糖尿病学会認定医、一般社団法人 予防医療研究協会 顧問